Classici giapponesi con furigana
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ぜんきてんまやけ
前記天満焼
国枝 史郎
Leggi 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.568 caratteri · 98 schermate
「親分さんは御親切で、どんな者にでもお逢いになり、話を聞いて下さるそうで。……仲間中での評判でしてね。……お為になれば結構と存じ」
「よく解りました、有難いことで。……これはほんの志で。……オイオイお梅さんお梅さん、このお客さんへお酒をお上げ。ええとそれからおまんまをね」
居間へ引っ返した丁寧松はポカンとした顔で考え込んだが、やがて長火鉢のひきだしを開けると、ちいさい十呂盤を取り出した。
パチ、パチ、パチと弾き出した。
岡引の松吉は三十五歳、働き盛りで男盛り、当時有名な腕っコキで、十人以上の乾兒もあったが、どうしたものか独身であった。そうして彼は変人でもあった。起居も動作も言葉つきも、岡引どころの騒ぎではなく、旦那衆のように丁寧なのである。乾兒や乞食に対してさえ、丁寧な言葉を使うのである。
丁寧松の由縁である。
ところで彼は捕り物にかけては、独特の腕を持っていた。武器はと云えば十呂盤と十手で……
十手が武器なのは当然だが、十呂盤が武器とはどういうのだろう?
それは誰にも解らなかった。
とはいえ、彼は事件にぶつかると、きっと十呂盤を取り出して、掛けたり引いたりするのであった。