Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんきょう

剣侠

国枝 史郎

Leggi 剣侠 (けんきょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.961 caratteri · 310 schermate

Aozora Bunko

……そうでなくてさえ俺と彼奴とは、早晩腕づくで争わなけりゃアならねえ。そういう立場に立っている。ヨーシそれではこの機会に……)

折柄三番鶏の啼声がし、夜がそろそろ明けかけた。

(よし)と林蔵は立ち上り、身仕度をすると階下に下りた。

寝ずの番の若衆が土間にいたが。

「これは親分、もうお帰りで」

「うん、わしは、これから帰るが、連れの二人はまだ寝ている、起こさずにそのままにして置いてくれ」

「へい、よろしゅうございます」

潜戸から林蔵は外へ出た。

暁の霧が立っていて、宿の家々は薄れてい、往来を歩く人影も少なく、家々の戸はとざされていた。林蔵は朝風に鬢を吹かせ、寝臭くなっている躰の汗を一度に肌から引き込ませ、足早に往来を歩いて行った。宿を出ると街道で、野良が四方に展けてい、林や森や耕地があった。左へ行けば赤尾村、右へ行けば高萩村、双方へ行ける分岐点、そこに六地蔵が立っていて、木立がこんもり茂っていた。そこまで行くと立ち止まり、林蔵はしばらく考えたが、やがて木立の陰へ隠れた。

次第に時が経って行く。

やがて空が水色に色づき、それが次第に紅味ざし、小鳥が八方で啼き出した。