Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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そうさくかのたいど

創作家の態度

夏目 漱石

Leggi 創作家の態度 (そうさくかのたいど) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.224 caratteri · 128 schermate

Aozora Bunko

ただ便宜のために用いるのですから、実際の衝突のない事は私の説明を御聞になれば御分りになるだろうと思います。それからある心理学者は sensation は分解の結果到着する単純な経験で、現実な吾人の経験はもっと複雑なところから始まっているじゃないかと云ってるようですが、それも構いません。ただ sensation が単純な経験をあらわせば、私の目的には宜しいのであります。もし不都合なら、そんな字を借用しないでもよろしい。面倒な事を云わないで、例でもって御話をすれば、早く合点が行かれますから、すぐさま例に取りかかります。

時々酒問屋の前などを御通りになると、目暗縞の着物で唐桟の前垂を三角に、小倉の帯へ挟んだ番頭さんが、菰被りの飲口をゆるめて、樽の中からわずかばかりの酒を、もったいなそうに猪口に受けて舌の先へ持って行くところを御覧になる事があるでしょう。商売柄だけに旨い事をするなと見ていると、酒の雫が舌へ触るか、触らないうちにぷっと吐いてしまいます。そうして次の樽からまた同じように受けて、同じように舌の先へ落しては、次へ次へと移って行きます。けれども何遍同じ事を繰り返してもけっして飲まない。