Classici giapponesi con furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Leggi 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.262 caratteri · 243 schermate
菊太郎君も飲む。僕は時折禁酒を思い立つけれど、菊太郎君にはそれが絶対にない。
「君は何うかしているんだな。神経衰弱じゃないかい? 考えなくても宜い事を考えて煩悶する」
と言って、不思議がっている。向上心のない人間は結局徳らしい。足掻いたところで、然う違うものじゃない。四年修了の折、○○大学の予科を受けて、二人とも弾ねられた。この時は僕は一寸発心したけれど、菊太郎君に引き摺られてしまった。
「兵隊で押し通そうよ」
「しかし成績がダン/\悪くなるばかりだぜ」
「何あに、落第さえしなければ宜いんだ」
「現に入学試験で落第している」
「あれは勘定に入らない。場慣らしのために受けたんだもの」
「来年の用心に少し薬を飲んで置く必要があるよ」
「今からじゃ早過ぎる。その間際にやってこそ試験勉強だ。僕だって兵隊だから、やる時が来れば、ウンとやるよ」
「それじゃ今から約束して置くぜ」
と僕は念を押すだけに止めた。必ずしも相手の説に服するのではないが、菊太郎君はいつも楽な手段を取る方針だから、そこに誘惑がある。
五年の成績が案外に好かった。これがまた油断の種になった。僕達は一躍して中軸を突破した。