Classici giapponesi con furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Leggi 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 251.906 caratteri · 495 schermate
力ぐらいは持つものとも知った。しかるに今人天の師とも仰がるる土宜師にそれほどの鑑識もなく、みだりに予の童身を疑うは高僧果して娼婦にしかず。畢竟、後白河上皇が仰せられた通り、隠すは上人、せぬは仏で(『沙石集』四の二)、日本に清僧は一疋もなく従って鑑識もその用を要せぬからだ。誰も頼まぬ禁戒など守ってそんな僧たちに讃められてからが縁の下の舞いと気が付いたところへ、折よく右のアントニウスの伝を読んで、無妻で通した聖人も人間並みに暮した靴屋も功徳に異りがないと知って、なるほど穴に居るより、これは一番穴――が迥かましとの断定、その頃来英中の現在文部大臣鎌田栄吉君に、何とも俺のようなむつかしい男にも妻に来る女があるだろうかと問うと、そこは破れ鍋にとじ蓋、ありそうなものと、三語の掾にも比すべき短答。帰朝して六年めに四十歳で始めて娶ったが二十八歳の素女で、破れ鍋どころか完璧だった。他十二分の標緻なしといえども持操貞確、案を挙げて眉に斉しくした孟氏の女、髪を売って夫を資けた明智の室、筆を携えて渡しに走った大雅堂の妻もこのようであったかと思わるる。殊に予の菌学を助けて発見すこぶる多ければ、今日始めて亭主たるの貴きを知ると満足し居る。