Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じゅうにしこう

十二支考(下)〔全2冊〕

南方 熊楠

Leggi 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 251.906 caratteri · 495 schermate

Aozora Bunko

跡へ入って身を潜め誰か通らば救いを乞わんと思いいる内、暁方近く屠者はでっかい庖丁を磨ぎ、北の方同道でやって来て箱の戸を明け、「灰色の坊様出てきやれ、今日こそお前の腸を舌鼓打って賞翫しょう」と大いに呼ばわる。坊主は身も世もあらぬ思いに腰全く抜け、どうぞ命をと叫びながら四つ這いで出るを見て夫婦も尻餅、平素畜生を灰色坊主と呼んだ故、灰衣托鉢僧団の祖師フランシス大士が立腹と早合点で、地にひれふし、大士と弟子たちの宥免を願い奉ると夫婦叩頭、坊主も頓首し続けて互いに赦しを乞う事十五分間とは前代未聞の椿事なり。ようやく夕べ宿った坊様と知れてやや安堵すれば、僧また豕箱隠れの事由を語り、双方大笑いで機嫌は直れど損じた脚は愈えず。亭主気の毒さの余りかの僧を家に請じて鄭重にもてなす。痩せた坊主は終夜休まず走って朝方荘官方へ著き、怪しからぬ屠家へ宿った、同伴は続いて来ぬから殺されたは必定と訴え出たので、荘主フォルス卿、急ぎ人を馳せて検察せしむると右の始末と、聞いた者一人も泣かずに済んだと、後日フォルス卿がフランシス一世王の母アグレームン女公の臍に茶を沸かしめて語った由。