Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Leggi 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 127.035 caratteri · 254 schermate

Aozora Bunko

全体はかえって精神的であった。

(ここの娘のお品だな、相いも変らず美しいものだ)

貝十郎はそう思ったが、

(待てよ! ふうん、お品の顔!)

で、何やら考え込んだ。そういう貝十郎が見ているとも知らず、お品は何んとなく愁わしそうな様子で、暮れて行く空を仰いでいたが、にわかに活々と眼を躍らせた。

向こうから一人の若侍が、お品に向かって笑いかけながら、足を早めて来たからであった。貝十郎は若侍を見た。それからお品の顔を見た。

(そうか)

と思いあたったような様子であった。

(新八郎氏がお品に通う! これはありそうなことだわい)

その若侍とお品とが、もつれるような姿をして、暖簾の奥へ引っ込んだのを見すてて、貝十郎は歩き出した。

思案に耽っている様子であった。冷雨の降った後である。盛り場も今日は比較的に寂しく、それに夕暮れになっていたので、家々では店を片付け出していた。

しかし一所に大公孫樹があって、そこだけには人が集まっていた。居合抜きの香具師の薬売りで、この盛り場の名物になっている、藤兵衛という皮肉な男が、口上を述べているからであった。

この藤兵衛には特技があった。