Classici giapponesi con furigana
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じゅうしまつ
十姉妹
山本 勝治
Leggi 十姉妹 (じゅうしまつ) di 山本 勝治 (やまもとかつじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.110 caratteri · 20 schermate
「これで八つ位は、大丈夫出来るやろな?」
「……う……」父は曖昧に首肯いていよいよかがみ込んだ。胸一杯にふくれあがってくる強い感激めいたものを拒むように、慎作は晴れがましく「只今!」と言って上がった。母は、慎作の飜った態度にほっとして、すがりつく様に言った。
「慎作、粥、温めるかい」
慎作は首を振って、冷めたい芋粥を水の様に流し込んだ。たかが些細な十姉妹の問題だ、自己の主義主張と家人の行動とは、必ずしも併立するものじゃない、清濁あわせ呑む度量と、矛盾の中での一つの……けれど鼻が痛く眼頭が熱く見まいとしていて視線を土間に引寄せられた。無論、父は祖父の強制に、詮方なく露の様に向う側へ転んで行ったに違いなかった。責めたてられる奴隷の様に手を休めなかった。祖父は愈々肩を張り、ゴムの様に唇をもぐつかせていた。慎作が食事を終っても二人は土間を離れなかった。
「もう、好加減にして寝なはれ、明日また、水換えで急がしいさかい!」と、母が白けた空気をとりなす様に言ったのをきっかけに、二人は道具をかたづけたが、寝ようとはせずに慎作の居る火鉢の前に坐って無闇と煙草を吹かした。