Classici giapponesi con furigana
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じゅうがつのぶんげいじひょう
十月の文芸時評
宮本 百合子
Leggi 十月の文芸時評 (じゅうがつのぶんげいじひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7740 caratteri · 16 schermate
しかし、周囲の生活の内容は谷中天王寺町の小さい庭をもった家の中でのものとすっかりちがい、一人の婦人作家を、その日常の生活でカナダにおける移民問題の中へ、第二世問題の中へ押し出した結果となった。
ジュンというノルマル・スクールに通っている第二世の娘を中心に「白い人種でない、という限りない寂しさを味わい」つつ、あるいは絶望し、あるいは健気にその苦痛、困難と闘おうとする日本人移民、それらの移民を中間で搾取する日本人の親方、密告、不正入国者の生活などを、この「小さき歩み」は物語ろうとしている。今月発表されたのは前篇であり、後篇での見とおしはつけ難いのであるが、この小説は、もっと主要な部分部分を、突っ込んで綿密に書かれたら、描かれている世界の現実感も深まり、意義ふかい、社会的な立体性も強く活かされたであろうと思う。平凡な構成ではあるが、ジュン、兄のジョージ、その両親の移民第一世、第二世としての生活を作品の中心にきっかりと据えて、それらの人々との交渉の間にキーラムという人物、道代という娘、持田、高雄、など、それぞれの人物、ウェスレー教会でのような特徴的な場面場面が描き出されて行ったならば、興味ある一長篇となるだろう。