Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
フッとおそわれた様に指先がふるえるとわけのわからない丸いものが頭の中をころがり出した。
「今夜はHさん、貴方が大変すきですの、どうしてか知らないけれ共――でももうねましょう、これよりおきてると私はあした目がくぼんでしまいますもの……」
「それじゃねましょう、阿母さんを起してやさしくして御あげなさいよ、サ」
千世子はいい気持そうにして居る母親をおこして寝室につれて行った。そして又もどって、
「瓦斯を消して私達も寝ましょう、貴方のお部屋にはローソクがついてます、私これから髪を解きますからどうぞお先へ――」
「エ、今日は私があなたを興奮させたんでしょうネ、キット、かんべんして下さるでしょう、ネエ」
「エエそんな事おっしゃるまでもない事ってすわ、あなたあしたおひま? ここで又製図なさる?」
「ここでやります、エエ、もうそうひまもないんです――しますから――」
二人は燭台をともして、千世子はうす明るい灯のわきでまっしろく光る櫛で髪をといた。ときあげた髪をうしろにさげてふりかえった時Hはいつもするねしなのお祈りをして居た。お祈りのすむのをまって千世子は、
「おやすみなさい、おそくまでお気の毒さまでしたワ」