Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
夕飯の時父親が会でおそくなるのでいつも父の座るところに母親が座って食べながら、
「ねえHさん、主人でそう云ってましたけどいそがしくもなるし、夜更けて行ったり来たりするのもなんだからどうせ一ヵ月か二ヵ月の事だからとまったっきりでいらっしゃる方がいいって云ってましたっけが、私もそれが好いって云ったんですよ。――それでいいでしょう?」
「そうですか、でも御世話さんでしょう、私まで……」
「そんな事があるもんですか、ネ? そうなさいもうそうきめてしまいますよ」
「そんならそうしていただきましょう、御気の毒ですけれ共……」
「エエ、エエ、かまいませんとも」
千世子の知らない内に父親がそんな事を云って居たと見えてその日っからHはとまりっきりになる事になった。
千世子は何となくくすぐったい様な気持がしながらその話をきいて居た。
(三)
次の日も次の日もHと千世子はその日と同じ様な事をして暮した。議論で一日つぶしよみつぶしかきつぶしたりして十二月一ぱいをくらしてしまった。
暮に近くなっての日Hは千世子にこんな事を云った。
「ネエ独りものは可哀そうじゃありませんか、お正月の着物の心配も御自分様がなさらなけりゃあして呉れる人がないんだもの」