Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
「めったに庭に出ない人が今日はどうしたの?」
「何故って一々そんな事に説明をつけてる人なんかめったにありゃあしませんわ」
千世子はすぐそれにつづけて、
「でも気になるんなら云ってあげましょうか?――少し妙だ!」
と笑うかん高な声が遠くの方にひびいて行った。
「そんなに云わずといいじゃありませんか、何心なく云った事を――」
「そいじゃもう云いません。今日どっかへ行らっしゃらない? 歩るくに丁度好い暖さで気もかるいし!」
「まだかるはずみですよあんまり、今日とあした位はしずかにして居なくっちゃいけません、臭剥はまだのんでましょう」
「イイエ、悪い時だけなんです、あんまりつづけるとくせになってきかなくなっちゃいますもの。じゃ、今日はおとなしくしてましょう、でも何だか出て見とうござんすわね」
「いい気持ですネエ、ほんとうに、背中からコー羽根が生えて来そうな気持じゃありませんか、飛行器にのったらいいでしょうネエどんなにか」
「いい気持ですけど斯うやって見上げてるのはもういやですワ、貴方の声でも何でもが頭の上におっこって来る様な気がするから……」
「又くせが出ましたネエ、でもまあそいじゃあっちから御入んなさい、そしても少しはなしましょう、母さんもさそって御あげなさいね」