Classici giapponesi con furigana
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ちよがみのはる
千代紙の春
小川 未明
Leggi 千代紙の春 (ちよがみのはる) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 4985 caratteri · 11 schermate
「尾をつかんで、上げてみせろなどといわなけりゃ、こいが逃げてしまうことはなかったのです。どうか、このこいのお金をください。」と、おじいさんは、おばあさんにいいました。
おばあさんは、甲高な調子になって、
「なんで、受け取りもしないのに、代金を払うわけがあるかい。かわいい孫の口に入らないものを、私は、お金なんか払わないよ。」と、争っていました。
このとき、集まった人々の中から、頭髪を長くした易者のような男が前に出てきました。
「おばあさん、こんなめでたいことはありません。死んだと思ったこいが跳ねて河の中へ躍り込むなんて、ほんとうにめでたいことです。きっとお孫さんのご病気は、明日からなおりますよ。孫のかわいいのは、だれも同じことです。このおじいさんにもかわいい孫が家に待っているのだから、おばあさん、こいの代金をはらっておやりなさい。」と、その髪の長い男はいいました。おばあさんは、こいの代金なんど払うものかと思っていましたが、いまこの男のいうことを聞くと、なるほど、もっともだと思いました。そこで、おばあさんは、しなびた手で財布の中から銭をとり出して、おじいさんに払ってやりました。