Classici giapponesi con furigana
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Leggi 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.668 caratteri · 164 schermate
いずれも大鍋にウンとあった。私達は各自手盛でやった。学生は握飯、パンなぞを取出す。体操の教師はまた、好きな酒を用意して来ることを忘れなかった。
この山の中で林檎を試植したら、地梨の虫が上って花の蜜を吸う為に、実らずに了った。これは細君が私達の食事する側へ来ての話だった。赤犬は廻って来て、生徒が投げてやる鳥の骨をシャブった。
食後に、私達は主人に案内されて、黒い土の色の畠の方まで見て廻った。主人の話によると、松林の向うには三千坪ほどの桑畠もあり、畠はその三倍もあって大凡一万坪の広い地面だけあるが、自分の代となってからは家族も少し、手も届きかねて、荒れたままに成っているところも有る、とのことだ。
私達が訪ねて来たことは、余程主人の心を悦ばせたらしい。主人はむッつりとした鬚のある顔に似合わず種々な話をした。蕎麦は十俵の収穫があるとか、試植した銀杏、杉、竹などは大半枯れ消えたとか、栗も十三俵ほど播いてみたが、十四度も山火事に逢ううちに残ったのは既に五六間の高さに成ってよく実りはするけれども、樹の数は焼けて少いとか話した。
落葉松の畠も見えた。その苗は草のように嫩かで、日をうけて美しくかがやいていた。