Classici giapponesi con furigana
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Leggi 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.668 caratteri · 164 schermate
根津村には私達の学校を卒業したOという青年が居る。Oは兵学校の試験を受けたいと言っているが、最早一人前の農夫として恥しからぬ位だ。私はその家へも寄って、Oの母や姉に逢った。Oの母は肥満した、大きな体格の婦人で、赤い艶々とした頬の色なぞが素樸な快感を与える。一体千曲川の沿岸では女がよく働く、随って気象も強い。恐らく、これは都会の婦人ばかり見慣れた君なぞの想像もつかないことだろう。私は又、この土地で、野蛮な感じのする女に遭遇うこともある。Oの母にはそんな荒々しさが無い。何しろこの婦人は驚くべき強健な体格だ。Oの姉も労働に慣れた女らしい手を有っていた。
私はB君や、B君の隣家の主人に誘われて、根津村を見て廻った。隣家の主人はB君が小学校時代からの友達であるという。パノラマのような風光は、この大傾斜から擅に望むことが出来た。遠く谷底の方に、千曲川の流れて行くのも見えた。
私達は村はずれの田圃道を通って、ドロ柳の若葉のかげへ出た。谷川には鬼芹などの毒草が茂っていた。小山の裾を選んで、三人とも草の上に足を投出した。そこでB君の友達は提げて来た焼酎を取出した。