Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Leggi 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.668 caratteri · 164 schermate
雪の来ない中に早くと、耕作に従事する人達の何かにつけて心忙しさが思われる。私の眼前には胡麻塩頭の父と十四五ばかりに成る子とが互に長い槌を振上げて籾を打った。その音がトントンと地に響いて、白い土埃が立ち上った。母は手拭を冠り、手甲を着けて、稲の穂をこいては前にある箕の中へ落していた。その傍には、父子の叩いた籾を篩にすくい入れて、腰を曲めながら働いている、黒い日に焼けた顔付の女もあった。それから赤い襷掛に紺足袋穿という風俗で、籾の入った箕を頭の上に載せ、風に向ってすこしずつ振い落すと、その度に粃と塵埃との混り合った黄な煙を送る女もあった。
日が短いから、皆な話もしないで、塵埃だらけに成って働いた。岡の向うには、稲田や桑畠を隔てて、夫婦して笠を冠って働いているのがある。殊にその女房が箕を高く差揚げ風に立てているのが見える。風は身に染みて、冷々として来た。私の眼前に働いていた男の子は稲村に預けて置いた袖なし半天を着た。母も上着の塵埃を払って着た。何となく私も身体がゾクゾクして来たから、尻端折を下して、着物の上から自分の膝を摩擦しながら、皆なの為ることを見ていた。