Classici giapponesi con furigana
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うまいち
午市
宮本 百合子
Leggi 午市 (うまいち) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8146 caratteri · 17 schermate
小関も辞儀をやめにして健介に説明した。
「なかに立つ夜市でしてね。植木や何かが主なんだがなかなか盛んなものです――それに何でしょう?」
彼は、健介夫婦を見くらべながら、にやにやした。
「お二人ともあんな処へは足ぶみもなさらないんだから、ついでにずうっと一廻りして来るとようござんす」
「……さあ」
健介は、おせいと顔を見合わせるようにして笑った。
「どうしますかね?」
おせいも、何だか変な心持がした。行って見たいような、また不気味なような。――彼女は、何ということもなく間の悪い心地がした。
「私はどちらでも……」
「一遍は見てお置きなさいましよ。話の種ですわよ」
「御案内役は、私が引受けます。近頃喧しく種々のことを云ったり書いたりする人もあるらしいが、読んだって貴女どこのどんなものだか、外側も知らないじゃあ、話にもなりますまい。またという時はないもんだから、お伴しようじゃあありませんか」
躊躇しているところを口々に勧められ、おせいは、好奇心の動くのを感じた。全く違った山の手に子供のうちから住み、そんな処にはまるで縁なく育って健介の妻になった彼女には、また何時そんな折があるかも分らなかった。