Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
半七捕物帳
岡本 綺堂
Leggi 半七捕物帳 (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.208 caratteri · 30 schermate
なにしろ、先の旦那と違って、おかみさんも若旦那も善い人ですから、抱えの妓どもをいじめたという噂も無し、心中した妓もないようです」
「よし、判った。きょうのことは誰にも云っちゃあならねえぜ」
口止めをして半七は徳寿に別れた。
「どうしても、今度はその寅松という野郎を探し出さなけりゃあならねえ」
半七は寅松兄妹が住んでいたという裏長屋をたずねて、その家主に逢った。家主も兄妹のゆくえを知らなかった。しかし去年の押し詰まりに、寅松がどこからかそっと舞い戻って来て、近所の寺へ幾らかの金を納めて行ったという噂があると話した。二人はすぐに其の寺をたずねてゆくと、寺でも最初はあいまいなことを云っていたが、結局去年の暮の十五日に寅松が不意に顔を出して、五両の金を納めて行ったと打ち明けた。
「寅松の両親はこの寺に埋まっているんですが、なにしろあの通りの道楽者ですから、近所にいながら盆暮の附け届けも碌々したことはないんです。それが何と思ったか、不意にたずねて来て、なにぶん御回向を頼むと云って五両という金をめずらしく置いて行きました」と、住職も不思議そうに話した。「そうして、こんなことを云っていました。