Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はんしちとりものちょう
半七捕物帳
岡本 綺堂
Leggi 半七捕物帳 (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.208 caratteri · 30 schermate
彼は肩を沈めて相手の腕を引っ掴むと同時に自分の爪先へ投げ出すと、その上を飛び越えて寅松が突いて来た。かれの手には匕首が光っていた。
「御用だ」と、半七はまた叱った。
寅松の刃は空を二、三度突いて、彼のからだが右へ左へただようとみるうちに、右の手につかんでいる刃物はもう叩き落されてしまった。左の手首には縄がかかっていた。相手がなみなみの者でないと覚って、かれは急に弱い音を吹き出した。
「親分。どうもお見それ申しました。お手数をかけてまことに申し訳がございません。まあ、勘弁して下さいまし」
「今だから行って聞かせる。おれは神田の半七だ」と、半七は名乗った。「往来なかじゃあどうにもならねえ。おい、お時。てめえもかかり合いだ。主人の家へ案内しろ」
泥まぶれになって這い起きたお時と、縄付きの寅松とを引っ立てて、半七は辰伊勢の寮へはいると、奥から小女が泣き声をあげて駈け出して来た。
「若旦那と花魁が……」
辰伊勢の息子と誰袖とは、奥の八畳の座敷に逆さ屏風を立てまわして、二人ともに剃刀で喉を突いていたのであった。
「その時にはわたくしも面喰らいましたよ」と、半七老人は云った。