Classici giapponesi con furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Leggi 卍 (まんじ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.618 caratteri · 258 schermate
。自分はやっぱり欺されたんや、自分にだけ薬飲まして、こないな目エに遇わしといて、その間アに光子さん綿貫呼びやはったんや、エエ、口惜しい、口惜しい、今跳び起きて二人の面皮剥いでやろ! と、そない思うのんですけど、起き上ろとしても体の自由利けしません。声出してやろ思て一所懸命になればなるほど、舌硬張って動けしませんし、眼エあくことすら出来しませんので、エエ、腹立つ、どないしてやろ思てる間アにまたいつやらうとうとしてしもて、……そいでも話声まだ長いこと聞えてて、その男の方の声が、おかしいことに綿貫でのうて夫の声に変ってしもてて、……こないなとこになんで夫いるねんやろ? 夫あないに光子さんと親しいのんか知らん!「姉ちゃん怒りやはりますやろか?」「なあに、園子かてその方が本望ですやろ」「そしたら三人仲好うして行きまひょなあ」と、――そんな工合にポツリポツリ耳に這入ったのんが、今考えてもよう分れしませんねんけど、二人の間でほんまに話してたもんやのか、それとも夢の中ながら想像で事実補うてたのんか、……それがあのう、……こいだけやったらみんな自分の心の迷いで根エも葉アもない幻見たんや、そんな事実あろうはずないと打ち消してしまいますねんけど、その外にもまだ忘れることの出来ん場面覚えてますし、……それも初めは阿呆らしい夢や