Classici giapponesi con furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Leggi 卍 (まんじ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.618 caratteri · 258 schermate
いうてくれた時も、嬉しいのん半分と口惜しいのん半分で、そない喜びもせえしませなんだのんで、二人も私に感付かれたこと薄々悟ってたらしいのんです。そいでお医者はんに「もう起きられても大丈夫です」いわれたのん三日目エの晩で、浜寺引き揚げたのんは四日目エの朝でしてんけど、その時も光子さん「姉ちゃん、もう心配せんでもええし。委しいこと明日あんたとこい行って相談しょうなあ」と、口ではそないいいながら、気イ咎めると見えて妙に態度余所々々しいて、夫の方も何や知らん光子さんと打ち合わせしたあるらしゅう、私連れて香櫨園い帰って来ますと、「用事溜ってるさかいこいからちょっと事務所い行て来る」いうて直きに出て行って、晩の八時過ぎに戻って来てからも、「晩の御飯済まして来た」いうたなり、私に話しかけられるのん恐がるようにしてますねん。私は夫が人欺して平気でいられる人間でないことよう知ってますさかい、今に何とかいい出すやろ、困らされるだけ困らしてやれ思て、無理に知らん顔して、時間になったらさッさと先い寝てしまいましたら、夫は尚更落ち着かん塩梅で、十二時になっても寝付かれんらしい寝返り打って、ときどき薄眼エ開きながらそうッとこっち見守って寝息うかごうてるのんが、真っ暗い中でも分るのんです。