Classici giapponesi con furigana
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なんきんむしさつじんじけん
南京虫殺人事件
Leggi 南京虫殺人事件 (なんきんむしさつじんじけん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.660 caratteri · 26 schermate
けれども、波川の頭には、なぜだか証明できないが、どこかにマチガイがあるような感じがついて離れなかった。するとそのカンもまんざら捨てたものではないことをなかば証拠立てるような事が現れた。
犯人を見たのは波川父子だけであるが、二人の印象を土台にモンタージュ写真を作った。インテリ風の眼鏡男は波川巡査一人しか見ていないから信用できかねるが、遊び人風の若者の方は二人の印象を合せていくうちに、二人そろってこの顔に甚だ似ていると断言したほどの似顔絵ができあがった。
半年ほど前まで奈々子の旦那だったという勝又という実業家にこの似顔絵を見せると、
「この男なら、奈々子のもとに出入りするのを三四度見かけました」
「相棒が一しょでしたね」
「いえ、私の見たのは、いつもこの男一人だけです」
「どういう用件で出入りしていたのですか」
「実はそれが判ったために、次第に奈々子と別れる気持になったのですが、この男は奈々子にモヒを売りこみに来ていたのです。モヒが命の綱ですから、奈々子はこの男なしには生きられない状態だったと云えましょう」
「すると、情夫ですね」
「いいえ。すくなくとも私が旦那のうちは、この男が情夫であった様子はありません。