Classici giapponesi con furigana
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なんぼく
南北
横光 利一
Leggi 南北 (なんぼく) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.591 caratteri · 40 schermate
」
「知らんぞな。わしゃ今帰ったばっかりやが。お前、馬が横倒しにどぶんと水の中へはまりよったら見い、馬ったら豪いものや。くれんといっぺんに起き返りよるな。ありゃ! 何んじゃ、お前安次やして!」
「さっき来たんやが、お前いやせんだ。」
安次は怒った肩を撫でながら縁に腰を下ろした。
「どうしてるのや?」
「どうって見た通りのざまや。」
「そうか。安次か。長いこと何処へ言ってたんや!」
「亀山や。」
「亀山か、近いところにいたんやして、お前何んじゃぞ、それ痩せて! 死神に憑かれたみたいやないか。」
「あかん。」
「あかんって、どうしたんやぞ。」
「医者がもうお前、持たん云いさらしてさ、心臓や。どだいわやや。」
「心臓や、それは困ったことやないか。まア待っとくれ。」
お留は周章てて厠へ行った。そして、戻るとき戸棚の抽出しから白紙を出して、一円包んで出て来ると安次に黙って握らせた。
「あかんのや、あかんのや、もうそんなことして貰うたて。」と安次は云って押し返した。
しかし、お留は無理に紙幣を握らせた。「薬飲んでるのか?」
「いいや、此の頃はもう飲みとうない。」
「叔母やん、秋がさっき来てな、安次を俺とこへ置いとけって云うのやが、俺とこは困るぜ。