Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんぼくアルプスつうせつ

南北アルプス通説

木暮 理太郎

Leggi 南北アルプス通説 (なんぼくアルプスつうせつ) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5372 caratteri · 11 schermate

Aozora Bunko

けれども薬師岳の南の太郎兵衛平、カベケ原、五郎平もしくは双六平のような高原状をなした平さえも、南アルプスには乏しいのである。ただ赤石山脈の南端イザルケ岳から光岳に至る間の山稜は、偃松は深く木立もあるが、幅も広く草地が続いているので、やや高原に似た趣を呈している。赤石岳の西の百間平、上河内岳の南の山稜または広河内岳附近の如きも、小高原らしい感じを与える。概して南アルプスは山稜の幅が広く、真の高原と称すべきものはないが、山稜即ちこれ小高原ともいうべき場所は到るところに展開している。好晴の日に四方の眺望に耽りながら暢気な山上の旅を続ける際には、頗る快適を覚えるが、不意に霧にでも捲かれると方向を失う虞も大きいのである。

火山に乏しい南アルプスは山の湯にもまた恵まれていない。小渋、梅ヶ島、西山など二、三の温泉と称するものはあるが、温泉らしい温泉といえば西山のみである。北アルプスの登山者が思いも寄らぬ谷川のほとりなどに滾々と湧き出している温泉を発見して、そこに石で囲んだ浴槽を造り、感触のいいぬくもりに皮膚を撫でられながら、終日の汗を洗い流すような快さは、南アルプスでは決して味えない。