Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんきょくのかいじ

南極の怪事

押川 春浪

Leggi 南極の怪事 (なんきょくのかいじ) di 押川 春浪 (おしかわしゅんろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.508 caratteri · 33 schermate

Aozora Bunko

火焔の消ゆるとともに、余はこの地球の果においてただちに凍死なん、いな瑠璃岸国の国王並びに勇士美人のごとく、一種異様なるミイラとなって空しく残らん、今や余の魂は飛び腸は断たんとす、せめてはこの奇怪事を人間世界に知らしめんとて、余はおぼつかなくも鉛筆を取り出し、数葉の黄紙にこの事を記す、余の文は拙なり、されど万一にもこの秘密にして何時か人間世界に現わるる事あらば、世の学者諸君よ、願わくは死を決してこの南極に探険船を進めよ、じつに世界の一大秘密はここに伏在せるなり、かく記せる間に火焔ははや消えんとす、余の脚は爪先よりすでに凍り始めたり、手の指ももはやきかずなれり、これにて筆を止めん、幸いに余のポケットには今なお残れる一瓶のビールあれば、余はそのビールを末期の水として飲み、快くこの世を去らん、しこうしてその空瓶にはこの一書を封じて海中に投ずるなり、もしこの瓶氷塊にも砕けず、海底にも沈まず――オー、オー、オー、火焔はすでに消えたり、もはや一分の猶予もなし、一字も記すあたわず、これにてさらば。

以上はコルテス博士がポルトガルの海岸にて拾上げし、不思議なる瓶中より出でし不思議なる書面なり、記者はもはや多く記さず、賢明なる読者諸君は、なにゆえに近頃ヨーロッパの学者社会より、幾度の失敗にも懲りず、しばしば不思議なる南極