Classici giapponesi con furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Leggi 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.869 caratteri · 112 schermate
輪廓だけが朦朧と見える。痩せてはいるが身長高く、黒の法衣を纏っている。日本の僧侶の法衣ではない。吉利支丹僧侶の法衣である。胸に何物か輝いている。銀の十字架が月光を吸い、キラキラ輝いているらしい。非常な老人と思われる。肩に白髪が渦巻いている。胸に白髯が戦いでいる。
「ああ貴郎様はオルガンチノ僧正!」
その神々しさに打たれたのだろう、民弥は思わず合掌したが、ちょうどこの頃京は八条四ツ塚の辺りの一軒の家で、風変わりの二人の男女によって、こんな会話が交わされていた。
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「随分遅いな、猿若は」
こう云ったのは男である。四十格好、大兵肥満、顔はというにかなり凄い。高い段鼻、二重顎、巨大な出眼、酷薄らしい口、荒い頬髯を逆立てている。その上額に向こう傷がある。これが人相を険悪に見せる。広袖を着、胸を寛げ、頬肘を突いて寝ころんでいる。一見香具師の親方である。
「そりゃアお前さん遅いはずさ、あれだけの仕事をするんだからね」
こう云ったのは女である。二十八九か三十か、ざっとその辺りの年格好、いやらしく仇っぽい美人である。柄小さく、痩せぎすである。で顔なども細長い。棘のように険しくて高い鼻、小柄の刃先とでも云いたげな、鋭い光ある切長の眼、唇は薄く病的に赤く、髪を束ねて頸へ落とし、キュッと簪で止めてある。