Classici giapponesi con furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Leggi 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.869 caratteri · 112 schermate
「なあに妾から云わせると、相手がそういう偉者だから、かえって猿若成功し、帰って来るだろうと思うのさ」玄女には心配がなさそうである。
「へえおかしいね、何故だろう?」猪右衛門には解らないらしい。
「だってお前さんそうじゃアないか、相手がそういう偉者だから、なまじっか大人などを差し向けると、すぐ気取られて用心され、それこそ失敗しようじゃアないか」
「うん、成程、そりゃアそうだ」今度はどうやら猪右衛門にも、胸に落ちたらしい様子であった。
二人しばらく無言である。
部屋の片隅に檻がある。幾匹かの猿が眠っている。彼等の商売の道具である。壁に人形が掛けてある。やっぱり商売の道具である。いろいろの能面、いろいろの武器、いろいろの衣裳、いろいろの鳴物、部屋のあちこちに取り散らしてある。いずれも商売道具である。紙燭が明るく燈っている。その光に照らされて、そういう色々の商売道具が、あるいは光りあるいは煙り、あるいは暈かされている様が、凄味にも見えれば剽軽にも見える。
コン、コン、コンと山羊の咳がした。庭に檻でも出来ていて、そこに山羊が飼ってあって、それが咳をしているのだろう。