Classici giapponesi con furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Leggi 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.869 caratteri · 112 schermate
「親方紛失とは気の毒だなあ」こう云ったのは一ツ目である。「どうだ猿若香具師なんか止めて俺達の仲間へ入らないか」
「真平ご免だ、厭なことだ」猿若は早速刎ね飛ばしてしまった。
「若い女を攫って来て、遠い他国へ売るような、殺生な商売は嫌いだよ」
「何だ何だこのチビ公、利いたようなことを云っているぜ。そういうお前達の商売だって、立派なものではないではないか」
「せいぜい盗みをするぐらいさ」
「それ、それ、それ、そいつがいけない」
「娘なんかは盗まないよ」
「金か品物を盗むんだろう」
「人形、人形、綺麗な人形!」
「え?」と一ツ目は訊き返した。
「人形を盗もうとしたってことさ」
「アッハッハッ、馬鹿にしているなあ、一人前の口は利くようだが、やっぱり子供は争われない、人形を盗もうとは可愛らしいや」
一ツ目が大声で笑ったので、人買共も一斉に、面白そうに笑い出した。
と、その笑声の終えない中に、門口の戸が外から開き、二人の人間が入って来た。
先に立ったは老人であり、後に続いたは娘であった。
それと見て取るや人買共は、一度にタラタラと辞儀をしたが、「これはお頭、お帰りなさいまし」こう云ったのは一ツ目であった。