Classici giapponesi con furigana
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また、いえ
又、家
宮本 百合子
Leggi 又、家 (また、いえ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6120 caratteri · 13 schermate
翌日は、時間を繰り合わせて、内を見せて呉れる家主の細君を待ち合わせた。
自分は、貴方の鑑定に信頼するから、どうぞ襖だけは気をつけて下さいと頼んだ。
自分にとって、あの赧黄色い地に、黒でこまこまと唐草の描いてある唐紙ほど、いやなものはない。新らしい家ではとも角、古び、木の黒光るような小家に、あの襖が閉って居ると、陰気で、気味悪く、陰から、何かが出て来そうにさえ感じられる。
若し襖がそれなら、きっと張換えて住むと云う誓言で、Aにまかせたのである。
それ等の交渉の間、家主がプロフェッショナルでなく、丁寧に、又、親切気を持って居て呉れると云うことが、如何程我々をよろこばせたか判らない。
相当の家作持ちらしく、若い夫妻である彼等は、決して、近所で名を轟かす、大家の虎屋のようなものではないらしかった。
勿論虎屋と云っても、別に特別な悪行をしかけたこともなかったが、そう云う名の苟且にもある者に対しての心持は、決して朗らかには行かない。
それがフランクに、友人として、種々のことを話したり、
「随分ぼろ家ですからね」
と、仮令金高は僅かでも、好意で引いたりして呉れたことは、真から二人に快感を与えた。