Classici giapponesi con furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Leggi 反抗 (はんこう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.121 caratteri · 282 schermate
周平は機械的に吸入器の用意をした。
隆吉は床の上に坐って、真白なタオルに包まれた。タオルから顔だけ出して、口を開きながら待っていた。保子がその後ろから軽く身体を支えてやった。周平は机の上に据えた吸入器を、隆吉の方へ向けた。食塩水の噴霧がさっと注ぎかかると、隆吉は咳き入った。それを一生懸命に押えつけたらしく、蒼い頬にかすかな赤味がさした。その上へ水滴が一面にたまっていった。睫毛の先の水滴は、瞬きをする毎にたらたらと頬へ流れた。唾液の交った水が、唇からすうっと糸を引いたように垂れてくるのを、保子がコップで受けてやった。隆吉はその中にあってじっとしていた。顔も渋めずにひたすら噴霧を吸い込むことにつとめていた。あんぐりうち開いてる※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)が、呼吸の度にかすかに動いて、虚弱そうな薄い高い鼻が、蝋細工のように静まり返っていた。
その姿を、周平は小憎らしく思った。次には不気味に感じた。余りに生に執着しすぎてる、というように感じた。それに対抗するような気で、やたらに噴霧を注ぎかけてやりたくなった、後はアルコール・ランプの芯をかき立てた。