Classici giapponesi con furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Leggi 反抗 (はんこう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.121 caratteri · 282 schermate
周平は彼の顔を見戍った。あの頃短い五分刈だった村田の髪は、今は長く伸されて後ろに掻き上げられていた。苦しい境遇に陥った自分の身が顧みられた。それと共に、横田氏等の同情がしみじみと感じられてきた。
彼は突然云い出した。
「君、このまま黙っていていいだろうね。」
「何を!」
「横田さんと奥さんとに……。」
「いいさ。好意は黙って受けるものだよ。君は余り神経質でいけないんだ。僕だったら、初めっから奥さんにも横田さんにもお礼なんか云わないね。」
受けるものは黙って受けよ――場合によっては貪っても構わない――というのが村田の主義だった。或る好意を受ける時、昔は礼を云うのが道徳だった。現代では、礼を云わないのが道徳なのだ。現代人の微細な神経は、施す好意を無条件で黙って受けられる方が、より多く施し甲斐を感ずるものだ。受ける方から云えば、口先の感謝で心の負目を軽くしようとするのは、卑怯な態度である。
「君のようにいやにこだわるのは、全く時代錯誤だ、もしくは、一種の僻みだよ」
周平は村田の言に逆説を認めはしたが、最後の言葉を聞いて、先日保子からも僻みだと云われたことを思い出した。