Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
とりかえしものがたり
取返し物語
岡本 かの子
Leggi 取返し物語 (とりかえしものがたり) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.882 caratteri · 28 schermate
雲はだいぶ退いて行って、黎明前の落ちついたみずみずしい空の色。上手から源兵衛とおくみは肩をすり合うようにして出て来る。)
源兵衛『男がおなごに家まで送って貰うという法があるかい。ここまで来れば家へ着いたも同様。そなたの念も届いたと言うものだ。さ、今度はわしがそなたを御主家まで送ってやりましょう』
おくみ『送って貰うはうれしいけれど。こなた、その戻りに衣川の宿場を通ってうっかり、夜明しの茶屋などに寄って往くまいものでもなし――』
源兵衛『あきれた悋気おんなだ。そなたと言うれっきとした女房があるのに、何で今更の浮気。つまらぬ云い合いに手間取る暇に、その松明こっちへ貰おう』
おくみ『また、うまくわたしを騙しなさろうとて、その手には乗りませぬ』
源兵衛『またその手に乗らんとは、わしがそなたを騙したと言うのか』
おくみ『お騙しなさんしたとも。今朝のうちから、さっきのいままで』
源兵衛『そなたが来るのを留守にしたのは、拠所ない若衆会所の相談。それも御門徒の一大事に就ての談合と、道々も口を酸くして聞かしてやったではないか』
おくみ『それがほんとなら、大事ないけれど』
源兵衛『言いがかりもいい加減にしやれ、さあ、もう夜明けも間近だ。