Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Leggi 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) di 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 257.544 caratteri · 508 schermate

Aozora Bunko

これで(と小粒を爺に渡して)冷やでいい、一升だけ徳利のままと、茶椀を一つ、それだけソックリ譲って貰おう。そして俺らはこの縁台の端を貸して貰って勝手に休まして貰うから、お前さんは帰るなりと何なりとしておくんなせえ。

爺 へい、へえ、こんなに沢山いただいちゃ……。じゃまあ。おっしゃる通りに……(内に入る)

長五 現金な野郎だ。珍しいなあ、お前飲むのか、兄き?

仙太 お別れだ。

爺 (徳利と茶椀を持って来て縁台の上におき)これにおきますよ。盛りはタップリで。わしはこれで行きやすから。(奥へ引込む)

長五 糞でも喰え。オット、ありがてえ、さ、上げな。(仙太郎に酌をする。仙太黙ってグッと飲み長五に差す)すまねえ。

仙太 (酌をしてやって)いつもいう通り商人百姓、素人衆をもっと大事にしろ。それから、……身体を大切にしろ。

長五 ……俺あどうせ上州無宿くらやみの長五、あちこちの賭場の塵の中に、命を投出した男だ。兄きこそ、達者で暮してくれ。オット(グイグイ飲む)……しかしお前程の男を、惜しいなあ……。

(二人シンミリしてしまって、永い間然って飲む。仙太はいい加減に茶椀を長五に渡してしまい、また急にはげしく聞えて来はじめたエジャナイカのどよめきに耳を傾けるようにして黙っている――間)