Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Leggi 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) di 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 257.544 caratteri · 508 schermate
ができるだろうか」とムキになって考えた事が一度や二度では無かった。また、青年になりたての私が、飢えと病気と孤独のために目くらめき、ほとんど行きだおれになりかかりながら、宮本百合子の生まれ育ったような邸宅の裏門のゴミ箱につかまって、苦しいイキをはきながら、「こんな家の中に、食いふとって暮しているヤツラは永遠に自分の敵だ」とつぶやいた事も二度や三度では無かった。そのような感じ方、考え方が、健康なものであったか病的なものであったか、自分は知らない。ただ、私は、そう感じ、そう考えざるを得なかった。
オトナになってから、私は、そんなふうには思わなくなった。人が先天的に「与えられ」て置かれた境遇の良さに対して悪意を持つことは、先天的に貧寒な悪い境遇に置かれた人をケイベツする事と同様に同程度に、浅薄な偏見だと言うことが、私にわかったからである。だから年少の頃の反感は、宮本百合子に対して、完全に私から消えた。以来、私にとって、宮本百合子など、どうでもよかった。自分に縁の無い、好きでもきらいでも無い路傍の女文士であった。もっとも、その間も、この人の書いたものの二、三を読んだ記憶はある。