Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ふるいど

古井戸

豊島 与志雄

Leggi 古井戸 (ふるいど) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.433 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

昨夜のことはけろりと忘れはてたような、晴れやかな顔をして、光子がとんとんと階段を上って来た。が、彼女はすぐに彼の顔色を見てとって、一寸立止った。その立姿が、すっと伸びて、まだ更に伸び上ろうとしてるかのようだった。

「光子さん。」

そう彼は呼びかけながら、半身を起した。

「なあに。」

じっと見つめると、その敏感な眼付と耳の根本の黒子とが、今迄気付かなかった大人びた魅惑を持っていた。

「私は一寸都合があって、よそへ越すかも知れませんが……。」

「え、なぜ。」

「なぜでも……。」

眼の光だけが機敏に働いて、其他は全く子供らしく、ひょいと彼の肩につかまってきた。

「いや、越しちゃいや。あたしいやよ。」

「そんな、むちゃを云ったって……。」

「いいえ、いやよ。あたし一人になってしまうんですもの。……お越しなさるなら、あたしもついていくわ。」

「ついて来てどうするんです。」

「だって、あたし困るわ。一人っきりで……。」

「お父さんやお母さんがいるじゃありませんか。」

「いたって、やっぱり一人っきりよ。」

「そんなむちゃな……。」

「いいえ、いやよ、どうしたっていやよ。」

光子は彼の肩を揺ぶり初めた。