Classici giapponesi con furigana
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こじょうのまひる
古城の真昼
野村 胡堂
Leggi 古城の真昼 (こじょうのまひる) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.644 caratteri · 28 schermate
超えて、昨年は、これも同じ夏至の日に、本丸の昔泉水のあったろうと思う辺で、一人の若い婦人、身装は至って粗末でしたが、比い稀なる美人が、背後から短刀で一とえぐりされて、紅に染って死んで居りました。県警察部は全力を挙げて捜査しましたが、犯人が挙らないばかりか、今以て殺害された者の身許もわかりません。肝腎の玉置氏――ここに居られる旧領主にして、古城趾の所有者なる玉置子爵――さえ、これについては、何んの心当りも無いと言われるのです。
兎に角夏至の日に、玉置の城趾に近づく者には、命がけの危険があることだけは疑を容れません。明日探検に行かるる方は、これだけは記憶して頂いて、万一の危険を慮ぱかるる方、危うきに近寄り度くないと思う方は、切に同行を中止して頂き度いのです」
蜂屋文太郎の異様な話は、これで終りました。「行こうか、行くまいか」「行っても見たいが、多少気味が悪くもある」といった、不安と焦躁は、暫くの間倶楽部員達の間に悪い沈黙を続けさせました。
「蜂屋君はつまらない事を言ってしまいました、これは私の国に起った、お伽噺のような事件で、決して諸君の退屈しのぎになるような面白い事柄では無いのです」