Classici giapponesi con furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Leggi 古寺巡礼 (こじじゅんれい) di 和辻 哲郎 (わつじてつろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.765 caratteri · 285 schermate
天平芸術の豊満な調和のなかには、かかる分裂は見られなかった。
わたくしは右のような印象のためにこの像を貞観時代の作とする近来の説に同ずるものであるが、Z君はこの像に天平の気分の著しいのを指摘して、天平末より後のものではないという主張をまげなかった。なるほどそう見れば見られぬでもないのである。この像の豊満味が密教芸術のそれよりも朗らかであるということは、いってよいであろう。確かにこの像は正倉院の樹下美人図や薬師寺の吉祥天女画像などの方に近い。右腕の異様に長いのがいかにも密教臭いが、しかし大安寺の女らしい十一面観音なども同じ程度に長い。天平の観音のように直立の姿勢を取らないで、こころもち前かがみになり、右足をまげ、右手で軽く天衣をつまんでいる柔らかい態度も、天平のものでないという証拠にはなり兼ねる。天平末にできた吉祥天女の画像も同じような柔らかい姿勢で立っている。衣紋の刻み方などには確かに関野氏の説のごとく天平風の円さがある。瓔冠や腕環や髪飾などがどうであるにしても、また貞観の刀法がところどころに現われているにしても、それだけで決定的に時代をきめるわけには行くまい。