Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
事件は単なる添えものにすぎなくて、必ずやほかになんらかの大事件がひきつづいて勃発するにちがいないだろう、という考えがあったものでしたから、万一の場合をおもんばかって、わざとかように一統の者の吟味を延引さしておいたのでした。だから、その日一日だけではなく、爾後五日間というもの、一統の者はずっと平牢にさげたままで、しきりと右門は次なる事件の勃発を心まちに待ちました。
けれども、柳の下にそういつもいつも大どじょうはいないもので、おおかた七日にもなるというのに、いっこう疑わしい事件も風評も起きなかったものでしたから、断然として毒殺事件を単調なものに取り扱うべき決心をいたしまして、ここにようやく伝六の待たれたる右門一流の疾風迅雷的な探索行動が開始されました。いうまでもなく、最初から例のごときからめての戦法で、そもそも、いったい何の目的で、かかる毒殺が、かかる場合に、かくのごとく公然と敢行されるにいたったか、まずその判定と見込みをつけるべく、三十七人の町内の者について、当の本人である糸屋の若主人の素姓身がらを巨細に洗いたてました。
しかるに、頭数だけでも三十七人あるんだから、少なくも十五色や二十色の陳述があってしかるべきでしたが、町内一統の者の期せずして申し立てたところのものは、わずかに次の数条にすぎなかったのです