Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate

Aozora Bunko

と――少し意外でした。ほんとうに芋虫のごとく寝ころがって無精ひげをまさぐっていた右門が、むっくり起き上がると、きまじめな顔でぽつりと伝六にいいました。

「では、今からその女房二、三人掃きよせに参ろうか」

「え? ほんとうですかい? 正気でおっしゃったのでげすかい?」

いつにも口にしたことのないいきなことばを、きわめて真顔で右門がいったものでしたから、おもわず伝六が正気でげすかいと念を押したのも無理からぬことでしたが、すると右門はいよいよ意外でした。

「この天気ならば、辰巳の方角がよいじゃろう。三、四匹ひっかけに、深川あたりへでも参るかな」

さらにいきなことを言いながら、やおらのっそりと立ち上がると、どてらを小格子双子の渋い素袷に召し替えて、きゅっきゅっとてぎわよく一本どっこをしごきながら、例の蝋色鞘を音もなく腰にしたので、伝六はすっかり額をたたいてしまいました。

「ちえっ、ありがてえな。だから、憎まれ口もきくもんさね。おいらのだんなにかぎって女の子の話なんざ耳を貸すめえて思ってましたが、急に目色をお変えなすったところをみると、その辰巳とやらにはさだめしお目あてがござんしょうね」