Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
「ふうむのう」
二度まではさほどにぶきみとも思わなかったのですが、ついにそれが三たびも続き、しかもその三たびめは雨の日とはいいながら昼日中に行なわれて、加うるに三度が三度違った生首であることが奇異なところへ、いずれもその死に首の左目ばかりがえぐり抜かれていたといったのでしたから、さすが物に動じない右門も、はじめてそのときぞっと水を浴びながら、おもわず、うめき声を発しました。けれども、それはしかし、ほんの瞬間だけのうめき声でした。明皎々たること南蛮渡来の玻璃鏡のごとき、曇りなく研ぎみがかれた職業本能の心の鏡にふと大きな疑惑が映りましたので、間をおかず伝六に不審のくぎを打ちました。
「だが、一つふにおちないことがあるな。それほどの奇異なできごとを、小田切久之進とやら申すその旗本は、なぜ今日まで訴えずにいたのかな」
「そこでがすよ、そこでがすよ。あっしもねたは存外その辺にあるとにらんだのでがすがね。三百石の小身とはいい条、ともかくもれっきとしたお直参のお旗本なんだから、ご奉行さまだって、ご老中だって、身分がらからいったひにゃ同等なんでがしょう。してみりゃ、なにも三日の間それほどの化け物話を隠しだてしたり、ないしはまた遠慮なんぞするにゃあたらないんだからね。