Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Leggi 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.558 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

――」

「桃華堂の無月だといやしねえか!」

「気味がわるいな。そうなんですよ! そうなんですよ! 四ツ谷の左門町とかにいるその桃華堂無月とかいう野郎だというんですがね。どうしてまた、そうてきぱきと、いながらにして眼がつくんですかね」

「またお株を始めやがった。むっつりの右門といわれるおれが、そのくれえの眼がつかねえでどうするんかい。いま江戸で名の知れた雛人形師のじょうずといえば、浅辰に、運海に、それから桃華堂無月の三人ぐれえなものなんだ。なかでも桃華堂はことのほか偽作がじょうずとかいう評判だから、もしかすると野郎じゃねえかと思っていたやさきへ、おめえがいま京金襴を買い出しにいって能書きうんぬんといったんで、名人気質のやつならてっきり野郎とホシがついただけのことさ。そのあんばいならば、大将め、ちょろまかした古島雛をどこかへ隠して、今ごろはぬくぬくしていやがるだろう。じゃ、駕籠だよ。いってきな」

「ちゃんともう二丁――」

「大束決めたな。じゃ、急いで乗りな」

風を切ってその左門町へ――行きついたとき、桃の節句びよりはそこはかとなく夕暮れだって、春風柳水に桜、桜にふぜいのともしび、いろめきたって大路小路は行く人帰る人、雪駄の足もうきうきと踊っているようでした。