Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Leggi 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.558 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

ききつつ、おのが身を省みつつ、恥ずかしさ、やましさ、腰元お多根の心づくしの美しさ、いじらしさにこらえかねたとみえて、当の春菜がうなじまでも一面に染めながら、消えも入りたいようにたもとで面をおおって、よよと泣きくずおれました。

まことに意外、意外から意外、あまつさえ美しくも可憐な多根女の心意気に、したたか名人も胸を打たれたらしく、知らぬまの涙が知らぬまに秀麗たぐいなきその両ほおを伝わりました。泣きぬれながら、しかし名人は静かに多根女にきき尋ねました。

「では、そなた、お嬢さまとお兄人との恋が、憎うて妨げようとしたのではござりませぬな」

「それはもう、わたくしとてもおなごのはしくれ――、なんで恋が憎うてなりましょう。いっそ、わたくしにもそのような恋がと――、いえ、いえ、恥ずかしゅうござります。いえ、そうではござりませぬ。ただもうお嬢さまがいとしいばっかりに、身分のふつり合いは不幸不縁のもとと、涙を忍んで兄との恋を忘れていただこうと思うただけのことでござります……」

いよいよいでていよいよ美し! 名人はそのいじらしさ、可憐さにしとどほおをぬらしながら、ことばを改めていいました。