Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 221.941 caratteri · 435 schermate
それも一刻や二刻の短い時間ではないので、品川浜の海波にほのぼのとして晩景の迫ってきた時分まで、ぐっすり眠りつづけていたようでしたが、と――ようやく起き上がると、そこに寝もやらで、おこりふぐのごとくかんかんになっていた伝六に微笑を送りながら、小女を呼び招いて、ふいっと命令を与えました。
「元気のいい船頭をふたりほど雇うてな、舟足の軽い伝馬船を一艘用意してくれませんかな。いうまでもないことじゃが、おいしいものを見つくろって、晩のしたくも整えましてな。そっちにすわっているおこり虫は左がいけるほうじゃから、それも二、三本忘れずに用意しておいてくださいましよ」
舟遊山ならば屋台船にしそうなものであるが、どうしたことか伝馬船を雇って用意万端の整うのを待ちうけながら、さっさと乗りうつりました。しかも、命じた行き先が不思議です。
「ことによると、墨田の奥まで行くかも知れませぬからな、そのつもりで大川を上ってくださいましよ」
いいながら、しきりと用意のお料理をおいしそうに用いていたようでしたが、だのに、なにを捜し求めようとするのか、その両眼は絶えず烱々として、川の右岸、すなわち京橋日本橋とは反対側の深川本所側ばかりにそそがれました。