Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Leggi 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.105 caratteri · 337 schermate

Aozora Bunko

あとはおうちのおふたりだ。すぐに来るよう申してもらいましょう」

同じように首をかしげながら降りていったのと入れ違いに、ものやわらかなきぬずれの音が近づきました。

妻女と娘のふたりです。母は五十くらい、あたりまえな顔だが、しかし、娘はうって変わって、寒くなるような美人でした。手、指、つめ、どこからどこまでがほっそりとしていて、青く白く、血のない女ではないかと思えるほどに、しんしんと透きとおっているのです。そのうえに震えが見える。美しい顔が、足が、かすかに波をうっているのです。

「お名まえは?」

「千萩と申します……」

「ほほう、千萩さんといいますか。いまにも散りそうな名でござりまするな」

上から下へ、右から左へ、娘の顔とふた親の顔とを、じろり、じろりと見比べていたが、なにを見てとったか、ふいと立ち上がると、さっさと帰りじたくを始めました。

「ぞうさはござりますまい。なんとか目鼻がつきましょう。だれにもいっさい他言せぬようお気をつけなさいませよ。いいですかい。お忘れなすっちゃいけませんぞ」

特に念を押しておくと、早いものです。すうと出ていったかと思うと、しかし、とつぜん、伝六をおどろかして命じました。