Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.105 caratteri · 337 schermate
しかし、今はもう颯爽明快、莞爾と笑ってお秋を前にすると、やにわにおどろかして、ずばりといったものです。
「栄五郎の目隠しに穴があったっていいましたぜ」
「えッ!」
二度訪れたおどろきに、さらにおどろきを重ねて、さっと青ざめた顔の上へ、静かな声がふりかかりました。
「たたみ文句はいくらでもござんす。しかし、夏場はあっさりと行くにかぎりますからね。むだな啖呵は控えましょう。あなたもお妹御に負けず劣らずおきれいでいらっしゃる。だが、少うしお年を召していらっしゃる。でき心の種は、そのお年までおひとり身でいらっしゃったことに根を張っていそうでござんすが、違いますかい」
「なにをおっしゃいます! わたしは何も! わたくしはいっこうに何も……」
「知らん存ぜぬというんですかい。おきのどくだが、灸のにおいがね、にんにく灸のにおいが、栄五郎にやった五十両の小判にはっきりしみついていましたよ」
「ま、にんにく灸のことを!――そうでござんしたか! あれをかぎつけなすったんでございますか……! それではもう、それではもう……」
じり、じり、と、なにものかに押しつけられでもしたかのようにうなだれると、お秋ははらはらと、そのひざへしずくをはうりおとしました。