Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
よしわらしんわ
吉原新話
泉 鏡花
Leggi 吉原新話 (よしわらしんわ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.157 caratteri · 75 schermate
半ば以上は二階へ届く。
一同くすくすと笑った。
民弥は苦笑したのである。
その時、梅次の名も聞えたので、いつの間にか、縁の幕の仮名の意味が、誰言うとなく自然と通じて、投遣りな投放しに、中を結んだ、紅、浅葱の細い色さえ、床の間の籠に投込んだ、白い常夏の花とともに、ものは言わぬが談話の席へ、仄な俤に立っていた。
が、電燈を消すと、たちまち鼠色の濃い雲が、ばっと落ちて、廂から欄干を掛けて、引包んだようになった。
夜も更けたり、座の趣は変ったのである。
かねて、こうした時の心を得て、壁際に一台、幾年にも、ついぞ使った事はあるまい、艶の無い、くすぶった燭台の用意はしてあったが、わざと消したくらいで、蝋燭にも及ぶまい、と形だけも持出さず――所帯構わぬのが、衣紋竹の替りにして、夏羽織をふわりと掛けておいた人がある――そのままになっている。
灯無しで、どす暗い壁に附着いた件の形は、蝦蟆の口から吹出す靄が、むらむらとそこで蹲踞ったようで、居合わす人数の姿より、羽織の方が人らしい。そして、……どこを漏れて来る燈の加減やら、絽の縞の袂を透いて、蛍を一包にしたほどの、薄ら蒼い、ぶよぶよとした取留の無い影が透く。