Classici giapponesi con furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate
「へえ、得手とおっしゃいますと?」「突くとか蹴るとか撲るとか、何か得意の手があろう」「ああそのことでございますか。へえ、それならございます。石を投げるのが大得意で」「石を投げる? 石飛礫だな。いやこれは面白い。どうだタマにはあたるかな?」
すると甚内は不平顔をしたが、
「へえ、なんでございますかね?」「石飛礫だよ、タマにはあたるかな」「いえ、タマにはあたりません」「ナニあたらないと、それは困ったな」「へえタマにはあたらないので、その代りいつもあたります」「アッハハハ、そういう意味か」
千葉周作は笑い出してしまった。
「ところでどういうところから、そういう変り手を発明したな?」「それには訳がございます。つまり撲られるのがイヤだからで」「それは誰でもイヤだろう」「私は特別イヤなので。撲られると痛うございます」「うん、そういう話だな」「それに撲られると腹が立ちます」「礼をいって笑ってもいられまい」「ところが取っ組んでしまったら、一つや二つは撲られます。それが私にはイヤなので。そこでソリャコソ喧嘩だとなると、二間なり三間なりバラバラと逃げてしまうのでございますな。