Classici giapponesi con furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate
保証する」「有難いことでございます」
こうして甚内はこの日以来、千葉道場の内弟子となり、五寸釘手裏剣の妙法を周作から伝授されることとなった。教える周作は天下一の剣聖、習う甚内には下地がある。これで上達しなかったら、それこそ面妖といわざるを得ない。
ところで一方甚内は、武芸を習う余暇をもって、江戸市中を万遍なくあるき、目差す敵を探すことにした。しかし直接の用事もないのに、広い市中をブラブラと、手ぶらであるくということは、かなり退屈なことであった。そこでいろいろ考えた末、「追分を唄って合力を乞い、軒別に尋ねてあるくことにしよう」こういうことに心をきめた。
既に以前記したように、元来甚内は追分にかけては、からきし唄えない人間であった。それが一夜奇怪な理由から、唄えるようになってからは、彼はにわかに興味を覚え、ない歌詞までも自分で作って、折にふれては唄い唄いした。しかるにまことに不思議なことには、彼の唄の節たるや、兄甚三そっくりであった。ちょうど甚三その人が、甚内の腹にでも宿っていて、その甚三の唄う唄が、甚内の口から出るのではないかと、こう疑われるほどであった。