Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なごやすけっち

名古屋スケッチ

小酒井 不木

Leggi 名古屋スケッチ (なごやすけっち) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5676 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

梅ぼしとは、『おゝ酸!』(大須)といふ駄洒落だが、実は先年まで、観音堂の裏手に『大酸』ならぬ『大あま』旭遊廓があつて、大須の繁盛したのは、半ばそのためであつた。旭遊廓は今の中村に移転したのだが、その当座、遊郭を飯の種として居た人たちは、この先どうなることかと蒼くなつたけど、観音様の御利益は、『刀刃段々壊』で、だん/\よくなつたなどゝいふのは罰当たりな駄洒落かも知れない。

観音様の境内が、食べ物の店で占領されて居ることは、こゝに至つて名古屋の特徴が最も露骨にあらはれて居ると言つてよい。仁王門から本堂に通ずる道は、食べ物店を迂回する。何と痛快な現象ではないか。こゝ十数年前までは、すべての民衆娯楽機関が、境内のいはゞ四面を取り囲んで居たが、今は映画が主になつて、もう、あの説教源氏節の芸子芝居は見られなくなつてしまつた。説教源氏節は誰が何と言つても、名古屋のもので、名古屋情調をたつぷり持つたものだが、今はもう、安来節などに押されて、大須から程遠からぬ旧末広座を活動小屋にした松竹座で、アメリカ本場に劣らぬジヤズが聞けるなど、時の力は恐ろしいものである。

大須といへば縁日を思ふ。