Classici giapponesi con furigana
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めいくんただゆき
名君忠之
夢野 久作
Leggi 名君忠之 (めいくんただゆき) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.683 caratteri · 32 schermate
……されば九州で危いのはまず黒田と細川(熊本)であろう……と備後殿(栗山)も美作殿(黒田)も吾儕に仰せ聞けられたでのう。そのような折柄に、左様な申立てで塙代奴を取潰いて、薩州と事を構えたならば却って手火事を焼き出そうやら知れぬ。どのように間違うた尾鰭が付いて、どのような片手落の御沙汰が大公儀から下ろうやら知れぬ。それが主君の御癇癖に触れる。大公儀の御沙汰に当藩が承服せぬとなったら、そこがそのまま大公儀の付け目じゃ。越前宰相殿、駿河大納言殿の先例も近いこと。千丈の堤も蟻の一穴から……他所事では御座らぬわい。拙者の苦労は、その一つで御座る」
「フーム。いかにものう」
と淵老人も流石に腕を組んで考え込んだ。青菜に塩をかけたようになって嘆息した。
「成る程のう。そこまでは気付かなんだ。……しかし主君はその辺に、お気が付かせられておりまするかのう」
「御存じないかも知れぬが、申上げても同じ事じゃろう」
「ホホオ。それは又、何故に……」
「余が家来を余が処置するに、何の不思議がある。……黒田忠之を、生命惜しさに首を縮めている他所の亀の子大名と一列とばし了簡違いすな……。